弦一郎の部屋はいつ来ても外の気温と一緒。 夏はめちゃくちゃ暑いし、冬は冬でめちゃくちゃ寒い。 エアコンとかストーブつけたら良いのに、弦一郎はそう言うのが嫌いみたい。 今日は新しい春服を買って、弦一郎の家に行ったんだけど…。 外はまだ肌寒くて、弦一郎の部屋も肌寒かった。 「…寒い」 「だから、そんな薄着をするなと言っただろう。全くお前はいつもいつも…、」 「だって、折角新しいワンピース買ったから、弦一郎に見てほしくて…」 「そもそも俺はがどんな服を着ていてもだな…、その、…」 「なあに?」 「綺麗だと思うぞ」 不意をつかれて、わたしの顔はみるみる真っ赤になった。 わたしは無償に照れたことが恥ずかしくなって、唇を尖らせて足を思い切り伸ばした。 短めのワンピース裾から、太ももが丸見えになる。 さすがにそれは恥ずかしかったけど、開き直ってそのままにしておいた。 弦一郎のほうをチラッと盗み見してみると、耳まで真っ赤になっていた。 そして、眉間のしわはみるみるうちに深く刻まれていった。 全く…怒るか照れるか、どっちかにして欲しいよ。 挑発的な目で弦一郎を見ると、ムッとした表情が返ってきた。 少し肌寒いけど、上に羽織っていたカーディガンを脱ぎ、弦一郎の正面に座る。 そしてそのままガバッと抱きついた。 「な、!」 「興奮した?ちょっとムンムンした?」 「そう言うことを、女が言うものでは無いであろう!」 「なんで〜?あっ!図星、…とか?」 「俺の言っていることがわからん様だな」 「やだ!弦一郎ってば、エッチ!」 「、お仕置きが必要だ」 「え、」と言葉を発した瞬間、頭を掴まれ、思い切り口付けられた。 何度も重なる唇。そして、だんだんと深くなっていく口付け。 わたしも弦一郎の首に手を回して、たくさんキスをねだった。 そしてそのまま、胡坐をかいている弦一郎の足の間に座り込み、体を弦一郎に預けた。 ( ああ、貴方はそばにいる。 ) |